はじめに
皆さんは、医師の非常勤のバイトを探すとき、どうしていますか?
医局に所属していれば、勤務先を斡旋してもらえるケースもありますが、すべてが医局経由で決まるわけではありません。特に、フリーランスとして働いている方や、将来的に独立を考えている方にとっては、自分で非常勤先を探す力が求められます。
また、たとえ医局に所属していても、「週1回だけ」「土日だけ」などの柔軟な勤務を希望する場合は、自身で求人サイトを活用して探す場面も多くなります。
この記事では、私が実際に非常勤勤務先を見つけた3つのエージェント、「民間医局」「MRT」「m3.com CAREER(エムスリーキャリア)」について、それぞれの特徴や使って感じたメリット・デメリットを本音で比較レビューします。
現在、私は週4つの非常勤勤務を掛け持ちしており、それぞれ以下のエージェントを通じて決まりました
- 民間医局:2件
- MRT:1件
- m3.com CAREER:1件
実際の使用経験に基づいて、各社の使い分け方や非常勤勤務先が決まるまでの流れについても、あわせてご紹介していきます。
非常勤勤務を決める基本の流れ

非常勤勤務が決まるまでには、ある程度のステップと時間が必要です。ここでは、非常勤勤務決定までの一般的な流れをご紹介します。
- 希望の案件を見つけて問い合わせる:エージェントサイトで条件に合う求人を見つけたら、まずは連絡して詳細を確認します。
- 応募の意思を伝える:内容に問題がなければ、エージェント経由で応募します。
- 書類選考:履歴書や職務経歴書などをもとに、医療機関側で審査が行われます。
- 面談・見学:書類通過後、Zoomや現地での面談・見学が実施されます。
- 勤務開始:条件が合致すれば、勤務日を調整してスタートとなります。
※案件によっては、書類選考後に「トライアル勤務(お試し勤務)」を1回~数回挟む場合もあります。これは、お互いの相性や実際の勤務内容を確認するためのもので、トライアル後に本採用となるケースが一般的です。
この一連の流れには、平均しておよそ1ヶ月ほどかかることが多いです。トライアル勤務がある場合は、さらに日数が必要になることも。
そのため、希望の勤務開始日の2〜3ヶ月以上前から求人を探し始めるのが安心です。
各エージェントの特徴と実体験レビュー
民間医局:総合力と生活支援のバランスが魅力

- 「ドクターズマガジン」や「レジナビ」を運営
- 医師賠償責任保険や書籍割引など独自サービスあり(私自身も民間医局の医賠責に加入しています。割安で入れてありがたいです)
- 病院名・クリニック名が求人にほとんど記載されている
※病院名の表示にはあらかじめ会員登録(無料)・ログインが必要です。していないと地域が表示されます。 - 掘り出し案件(稀にある非常に好条件な案件)の頻度は一番高い印象あり
- 案件数は中程度。m3.com CARREARよりは少なめ
さらに、民間医局の求人検索機能は非常に使いやすく、ユーザー目線でとても優秀だと感じています。 「こだわり条件」では、
- 新着のみ
- ゆったり勤務
- 高額給与
- 専攻医・専修医可
などの色々な絞り込み項目が用意されており、希望条件に合った求人を効率的に探すことができます。
条件が明確な方にとっては、非常に使い勝手の良い検索システムだと感じました。
MRT:医師視点に立った安心感と手厚いサポート

- 東大医学部発の医療ベンチャー。東大卒医師の3人に1人が登録
- 医師ネットワークに強みがあり
- 病院名・クリニック名が求人にほとんど記載されている
※こちらも病院名の表示にはあらかじめ会員登録(無料)・ログインをする必要があります。 - 掘り出し案件も時々あり
- 案件数は中程度。m3.com CARREARよりは少なめ
また、私の場合、MRTの担当エージェントさんとは、向こうからのご提案もあって唯一LINEでやり取りをしています(他の2社は基本的にメール対応)。その影響もあってか、歴代の担当の方々はフレンドリーで、ちょっとしたことでも気軽に相談しやすい雰囲気があります。
「ちょっとこれ聞いてもいいかな?」という気軽さで連絡できるのは、日々の情報収集にもストレスがなく、非常勤勤務探しをスムーズに進める上で大きなメリットだと感じています。
m3.com CARREAR(エムスリーキャリア):圧倒的な案件数と更新頻度

- m3.com基盤を活用した最大手級のサービス
- 求人件数は非常に多い
- 案件に地域は表示されるが病院名は記載されていないため、病院名を知るためには問い合わせするひと手間がある
- 外部企業経由の案件も多い
- m3.com CARREARは以前からある案件が毎日“新着”として更新を繰り返して表示されており、本当の新しい求人がわかりにくいのがやや不便に感じます。とはいえ、毎日見ていると次第に新規案件かどうかの見分けがつくようになります。
それを踏まえても、m3.com CARREARは真の新規求人数が明らかに最も多いと感じています。
m3.com CAREERは件数の多さだけでなく、検索機能の細かさも大きな魅力です。
各都道府県のさらに市や区単位まで絞って検索できるため、自宅から通いやすいエリアをピンポイントで探すのに便利です。また、詳細条件では時給の設定をすることも可能です。
さらに「こだわり条件」もあり、外来診療のみ、クリニックなどと色々設定できます。
面談・条件交渉のサポート体制
m3.com CARREARのサポート
面談や見学の調整はしてくれますが、基本的にZoomや現地面談への同席はありません。
民間医局・MRTのサポート
どちらも担当エージェントがZOOMや面談に同席してくれるので、医療機関との初回面談でも安心感があり、何より心強いです。
また、自分の代わりに「残業が発生することがあるか」「休憩はきちんと取れるか」「何時ごろに帰れるか」といった、自分では直接聞きにくい質問をしてもらえたり、
勤務時間や業務内容・条件の調整もエージェントが代わりに伝えてくれるため、
ミスマッチを防ぎやすく、スムーズに話がまとまる可能性が高まります。
★総合比較表
項目 | 民間医局 | MRT | m3.com CAREER |
---|---|---|---|
求人数 | ○ | ○ | ◎(最多) |
病院名の表示 | ◎ | ◎ | ×(問い合わせ後に表示) |
新着求人のわかりやすさ | ◎ | ◎ | △ |
面談・交渉の同行 | ◎ | ◎ | × |
掘り出し案件の出現率 | ○ | ○ | △ |
検索画面の使いやすさ | ◎ | △ | ○ |
相談のしやすさ | ○ | ◎ | ○ |
気になるエージェントがあれば、まずは無料の会員登録だけでもしておくのがおすすめです。
案件の閲覧や希望条件の登録が可能になり、スムーズな求人探しの第一歩になります。
非常勤勤務をうまく見つけるための4つのコツ

非常勤勤務先をうまく見つけるためには、いくつかの“ちょっとした工夫”や“実践的な知識”が役立ちます。ここでは、私が実際に感じた非常勤探しの4つのコツをご紹介します。
1. サイトをこまめにチェック
新規求人は突然出てきて、タイミングがすべてという場面も少なくありません。特に掘り出し案件は競争率が高いため、数日前に出た案件であっても、すでに「募集は終了しました」と言われることもよくあります。非常勤先を積極的に探している時は毎日少しずつでもエージェントのサイトを確認する習慣をつけることが大切です。
また、日々求人を見ていると、自然と「この条件ならこのくらいの時給が相場かな」といった感覚も身についてきます。
相場感を掴むことで、良案件を見極める判断力も高まるので、チェックの習慣にはそうした意味でも価値があります。
エージェント登録時には「希望条件」や「勤務可能な曜日・時間帯」などを伝え、「こういう案件が出たら教えてください」と依頼しておくことも有効です。
とはいえ、エージェント側も多数の医師を担当しているため、希望に合う求人が出たとしても連絡が来ないケースも珍しくありません。
だからこそ、最終的には自分でこまめにチェックする力がモノを言うと、実際に使っていて強く感じています。
2. 求人票の条件にとらわれすぎないことが大切
求人票に記載されている条件はあくまで“目安”であることもあり、交渉次第で柔軟に調整してもらえるケースもあります。
- 「1日勤務」と記載されていても、午前のみ・午後のみなどの時短勤務に変更可能な場合もある
- 「毎週勤務」とあっても、隔週勤務に応じてくれることもある
私自身の例では、「もう少し給与を上げたい」とエージェントに相談したところ、休憩が長い勤務形態の案件だったため、その時間に別の仕事を入れるという形で調整してもらえたことがありました。
このように、視点を少し変えることで、条件改善につながるケースもあると感じています。
もちろんすべての案件が交渉可能とは限らず、「勤務時間の調整不可」や「毎週勤務必須」などと明記されている求人については、交渉の余地がないことがほとんどです。
そのような場合は、無理に交渉せず、他の条件に合う求人を探す方が効率的です。
3. m3.com CAREERでも付き添いサポートが受けられることも
m3.com CAREERは通常、担当エージェントが面談やZOOMに同席しないスタイルですが、m3.com CAREERサイトでは、案件によっては紹介元が以下のような他社のエージェントであることがあります。
- 医師のとも
- 株式会社CONNECT
- 株式会社フィデス など
こうした場合は、面談同席のサポートを私自身も受けられたため、「面談同席があった方が安心」という方は、案件ページを開いた際に下部に表示される紹介元の企業を確認することをおすすめします。
4. 古い求人は問い合わせて確認を
これはどの求人サイトにも共通しますが、1ヶ月以上前に掲載されたまま更新されていない求人は、すでに募集が終了していることも少なくありません。
基本的には、募集が終了した求人はサイト上から削除されることが多いですが、必ずしもすべてが即時に消えるとは限らず、掲載が続いたままになっている場合もあります。
求人票の掲載日が古く、長期間動きがない案件で気になるものがあれば、「まだ募集していますか?」と一言エージェントに問い合わせるだけで、無駄な応募ややり取りを避けることができます。
私の活用法とおすすめの使い分け

私は勤務先を急ぎで決めたいときは、m3.com CAREERを毎日チェックして新着案件を確認しています。一方で、民間医局やMRTは毎日〜数日に一度の頻度でチェックし、掘り出し案件や新規求人が出ていないかを確認するようにしています。
このように、スピード感を重視する場面ではm3.com CAREERを中心に、条件の良さやサポートを重視したいときは民間医局やMRTを活用するという使い分けが、自分には合っていると感じています。
ただ、「使い分けはちょっと面倒…」という方は、まずは3社すべてを試してみて、実際に使いやすいと感じたところに絞っていくというやり方も全然アリだと思います。
登録は無料ですし、それぞれ特徴が異なるので、使ってみることで相性がわかるはずです。
それぞれのエージェントにはオリジナル案件もありますが、同一案件が複数のエージェントサイトに掲載されていることも多く見られます。
そのため、すべての医療求人サイトに登録する必要はなく、信頼できる2〜3社に絞って活用するだけでも十分だと思います。私自身も以前は他のエージェントサイトも見ていましたが、現在はこの3社のみで、週4の相場より良い、好条件な勤務先を確保できています。
- m3.com CAREER:案件数・スピード重視。求人の母数が圧倒的に多く、スピード感があるため「とにかくすぐに働きたい」場合に便利。
- 民間医局・MRT:好条件+手厚いサポート重視。掲載数はm3に比べて少ないですが、時給や条件の良い“掘り出し案件”が出てくることがあるので、チェックする価値があります。
特に民間医局は、「おっ、これはかなりいいな」と思えるような飛び抜けてレアな案件に出会えることもあり、私は求人を急いで探していない時期でも定期的にチェックしています。
まるで「レアカードを引き当てた」ような気分で、そういう求人を見つけた時はちょっと嬉しくなります。
まとめ
非常勤勤務を見つけるには、
- 早めに動くこと
- 信頼できるエージェントを使い分けること
- 自分でもこまめに求人をチェックすること
これらが成功のカギになります。
MRT・民間医局・m3.com CARREAR、それぞれの特徴をうまく活かして、あなたにぴったりの非常勤先を見つけてください!
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